32年間の歴史に幕──ダウンタウンDXが最終回
2025年6月26日、32年続いた長寿バラエティ番組『ダウンタウンDX』(読売テレビ・日本テレビ系)が、ついに最終回を迎えました。
しかし、番組の象徴とも言えるダウンタウンの2人の姿が、最後まで登場しなかったという驚きの展開に、視聴者の間では戸惑いと寂しさが広がっています。
ダウンタウンDXとは?その魅力と功績
1993年にスタートした『ダウンタウンDX』は、木曜夜の風物詩として長らく親しまれてきたトークバラエティ番組です。
芸能人の裏話や暴露ネタ、プライベートトークなど、テレビではあまり語られない“本音”が炸裂するスタイルが大きな支持を集めていました。
特に、松本人志さんの鋭いボケと浜田雅功さんの軽快なツッコミの絶妙な掛け合いが番組の空気感を作り出し、多くのファンを魅了してきました。
初期にはスタジオトークとロケ企画を組み合わせた構成も多く、深夜枠からゴールデンタイムに進出しても安定した視聴率を誇っていました。
また、出演ゲストも毎週豪華で、他では聞けない話や貴重な映像が満載だったことも人気の理由です。
なぜ番組は終了したのか?
番組終了の背景には、やはりダウンタウンの“実質的な不在”が大きく関係しています。
2023年末、松本人志さんが活動休止を発表して以来、コンビでの出演は激減。『ダウンタウンDX』でも松本さんの出演がなくなり、代打MCによる放送が常態化していました。
加えて、浜田さん単独での出演により「ダウンタウンの番組」としての本質が少しずつ変わっていったのも事実です。
その結果、視聴者からは「もうダウンタウンの番組じゃない」「空気が変わってしまった」といった声が多く聞かれるようになりました。
さらに、配信サービスやYouTubeの台頭によるテレビ視聴習慣の変化も、番組終了の一因といえるでしょう。
「トーク番組」というフォーマット自体が、今やレアな存在となりつつあるなかで、“潮時”という判断があったのかもしれません。
最終回に2人の姿はなし。その意味とは
最終回では、これまで出演してきたゲストたちのコメントVTRや過去の名場面集が放送され、番組の軌跡が丁寧に振り返られました。
しかし、ダウンタウンの2人はVTR出演すらなし。感謝やねぎらいの言葉はスタッフ・ゲストから語られたものの、本人たちの“声”がないまま、静かに番組は幕を下ろしました。
その姿勢に対して、ファンの間では賛否が分かれています。
「せめて最後のメッセージが欲しかった」
「けれど、それもまたダウンタウンらしい」
という、複雑な想いが交錯しました。
最後まで“らしさ”を貫いた32年間
笑って、驚いて、ときには呆れて──『ダウンタウンDX』はまさに視聴者の人生の一部でした。
最後に2人が現れなかったことも、もしかすると彼らなりの美学だったのかもしれません。
拍手喝采の中で幕を閉じるのではなく、「気づけば終わっていた」という静かな終焉。
それもまた、ダウンタウンらしい「照れくさくない終わり方」だったのかもしれません。